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1.はじめに

2.Test Access Port

3.BS周辺回路

4.TAPコントローラ

5.インストラクションレジスタ

6.Testデータレジスタ

7.BS試験例

8.インフラ試験

9.BS試験

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2.Test Access Port(TAP)

2.1 概要

TAP(Test Access Port)はバウンダリスキャンデバイスに実装される、汎用ポートで、このポートを使って、様々なテスト機能を実現します。TAPはTCK,TMS,TDI,TDOから構成され、TRSTはオプションとなっています。

 

2.2 Test Access Port

(1) Test Clock Input(TCK)

TCKはデバイス間を接続するシリアルデータパスのシステムクロックとして使用されます。全てのテスト・オペレ−ションとスキャンオペレ−ションは、このTCKに同期して行われます。TCKは通常50%デューティーの自走CLKに接続されることが理想ですが、多くの場合、一定の期間停止したりするような状況があります。IEEE Std 1149.1ではTCK が “0” の状態で停止する場合、テストロジックの状態を保持し続けることが規定されています。そしてクロックが再度動作を始めた場合、停止した状態から動作するようになっています。TCKが “1” の状態で停止した場合の動作の保証はオプションとなっています。

(2) Test Mode Select input(TMS)

テストロジックを制御する信号です。この信号は、テスト・オペレ−ションをコントロ−ルするためにTAPでデコ−ドされます。TAPの状態の変化は、TCKの立ち上がりエッジでサンプリングされます。TMS信号がドライブされない間はハイレベルでなければならない為、回路デザインでプルアップすることを推奨します(通常、デバイス内部にプルアップ抵抗が内蔵されます)。これにより、ノ−マルオペ−レション時は、Test−Logic−Resetの状態が確保されます。

(3) Test Data Input(TDI)

テストロジックに対して、命令やデ−タをシリアル入力する信号です。この入力は、選択されたレジスタ(インストラクションorデ−タレジスタ)に、TCKの立ち上がりに同期して入力されます。TMS信号がドライブされない間はハイレベルでなければならない為、ボードデザインでプルアップすることを推奨します(通常、デバイス内部にプルアップ抵抗が内蔵されます)。

(4) Test Data Output(TDO)

テストロジックからのデ−タをシリアル出力する信号です。この出力は、選択されたレジスタ(インストラクションorデ−タレジスタ)から、TCKの立ち上がりエッジでシフト・アウトされます。TDO出力の変化は、TCKの立ち下がりエッジまでは発生しません。シフトオペレ−ション以外の場合は、ハイインピ−ダンス状態となります。このため、ボードデザインにおいて、TDIとTDOを接続するバウンダリスキャンチェインを構成するネットにはプルアップ抵抗を接続することを推奨します。

(5) Test Reset input(TRST)

TRSTはTAPコントローラの非同期リセットを入力します。TRST に “0” が入力されると非同期でTAPコントローラは Test−Logc−Reset 状態になります。TRST信号がドライブされない間はハイレベルでなければならない為、回路デザインでプルアップすることを推奨します(通常、デバイス内部にプルアップ抵抗が内蔵されます)

TRST デバイスのシステムリセットとは独立しています。この為、バウンダリスキャン機能を使用しない場合、TRSTを“0” にハード接続することでバウンダリスキャン機能をディスエーブル状態にできます。

 バウンダリスキャン回路の動作を保証するために*TRSTが “0” から “1” に変化する間は TMSは “1” の状態を保つことが推奨されます。